東員町のひと

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おみごと!かつやくセミナー
第3回 「健康活躍のまちづくりシンポジウム ~ 町制施行50周年 みんなの「おみごと!」があふれるまちへ ~」 レポート

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■日 時  平成30年2月17日(土)14:00~
■場 所  東員町総合文化センター2階 第1講習室


◆講演  「健康活躍のまちづくり」 藻谷 浩介 氏

 今回のシンポジウムの前半では、藻谷浩介氏による基調講演が行われました。
 藻谷さんは冒頭に、これからのまちづくりを考える上で大切なこととして、まず、『良いのか、悪いのか』『どうしたらいいのか』を議論するのではなく、『どうなっているのか』を理解しなくては意味がないと話し、統計データなどに基づき、『どうなっているのか』を確認した上での議論の重要性を伝えていました。

◎人口減少は合計で考えるのではなく、年齢別で考える

 はじめに、藻谷さんからは国勢調査の結果をもとに、日本の人口についてプロジェクターを使って説明があり、以下の2つの視点で話がありました

・7年前から2年前の5年間(2010と2015の国勢調査)で、日本の人口は96万人の人口減少だが、日本の総人口を考えれば大きな数ではない。合計で考えるよりも、年齢別で考えることが大切。

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・0歳から14歳の子ども(年少人口)が86万人減っている。5年で5%の減少は大きく、平均すると1年で1%の減少。このペースだと100年後に子どもがいなくなる速さ。生き物で言えば『絶滅危惧種』にあたる。40年前に比べ、産まれる子どもの数が半分になっている。

 続いて、東員町の人口の動きについて特徴的なところを次のように取り上げていました。
 この5年間、東員町全体の人口は減っているが、子どもの数(年少人口)は増え、1%の増加。これは非常に珍しいことで、東員町は子育てがちょっとしやすいため、子育て世代が他市町から引っ越してきた。または、2人目、3人目を産んでいる人がいるということ。
 要因は、ひとつひとつを見ると、皆さんが関係ないと思っているようなことでも実は影響は大きい。例えば北勢線ひとつとっても廃止せずに、駐車場を作ってでも乗りたい人は乗れるように残した。こうした色々なことが重なって、全国でも数少ない子どもが増えている地域となった。

 また藻谷さんは、人口のデータから世間で見落とされがちな点を次のように話していました。
 この5年間、全国の15歳から64歳(生産年齢人口)は448万人の減少で、このことをきちんと知っている人は少ない。このままのペースだと90年で現役世代がいなくなるということになる。これは子どもの減り方よりも速く、少子高齢化と言うが、実は現役世代が一番減っていることが問題にされていない。
 また、日本全体で人口が約100万人減っていることは言うが、75歳以上が約200万人増えていることは誰も言わない。と指摘していました。

◎田舎の高齢者と都会の高齢者

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 続いては、高齢化の話があり、時代背景、今後必要なことなどを次のようにまとめていました。
 50年前の平均寿命は70歳に達していない。85歳以上は、ほとんどいなくて、100万人ぐらいだった。平均寿命が短かったので、年金制度も成立していた。
 今は85歳以上が多く、約500万人。そして、今後たった20年で倍の1000万人になる。昔に比べ破格に高齢者が元気になり、長生きする確率が高くなっている。

 しかし、今のペースだと75歳以上の3人に1人が要介護状態となり、その状態が続くと介護で社会は壊れる。その結果、若い人の介護離職、収入が減って子どもも産めなくなる。

 ところが日本の山奥、すごい田舎にはもっと高齢者の割合が高い地域があるが社会は崩壊してない。なぜか田舎の高齢者は元気で、財政破綻もしていない。
 その理由として、田舎の高齢者は、直売所の店員、畑仕事、溝掃除など何かしらしている。都会の高齢者はマンションの中で暇をしていることが多い。何もせず、ずっとマンションの中にいれば病気にもなる可能性が高い。
  こうした田舎の高齢者と都会の高齢者のどちらの高齢者が今後増えていくか、東員町はその両方の傾向を持つ町で、皆さんの生活次第で変化していく。

◎人生は7回目から 健康活躍のまちを目指して

 藻谷さんは東員町の高齢化に関する特徴として以下の2点を取り上げていました。

・全国の65歳以上は平均で15%増加。 東員町は33%増加。2倍以上。全国に比べ、ものすごく退職者の増え方が早い。

・全国の75歳以上は平均で15%増加。 東員町は20%増加。やはり全国より早い。

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 こうした特徴を踏まえ、今後東員町に何が大切であるか話がありました。
 統計上の傾向から、現在50歳を迎えている人の特に女性は2人に1人95歳までは生きる。男性は4人に1人95歳を超える。
 この傾向から東員町の現実を理解することが大切。東員町は、全国平均に比べ昭和20年代生まれが多い。この年代がどう健康に、元気に生きていくかが非常に大切。

 高齢化はずっと続くわけではなく、いつか高齢者が減りだす時期が来る。高齢者が減りだすと福祉費用や医療費が減り、それによって子どもにお金がかけられるようになる時が来る。
  しかし高齢者が増加する中で子育て支援もしている東員町は、数少ない両面作戦が出来ているまち。子どもへの投資はやめてはいけない。だから、高齢者は元気でいなければいけない。

 野球に例えると、これからの人生は7、8、9回をどう過ごすかが大事。 定年を迎えたら終わりではない。
 働いているうちに地域の人と繋がること、老後は地域で気の合う友達と仲良く豊かな時間を過ごすこと、それが元気でいる秘訣。


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◆ディスカッション  「健康活躍のまち ~ 自らの手で担うまちづくり ~」
              山田桂一郎氏(進行)・藻谷浩介氏・水谷俊郎町長

 後半には山田さんを進行として、藻谷さん、水谷町長でディスカッションが行われました。

◎高齢化と健康長寿について

 まず、藻谷さんの基調講演を踏まえて「高齢化と健康長寿」をテーマに話が進められました。要点は以下のとおりです。

●水谷町長からは、高齢化は止めることはできないが、現在東員町内には色んな活動をしている方々がみえる。こうしたことが健康長寿に繋がっていると思う。今後は高齢者に限らず、町の中に働く場所が増えていくことが重要との話がありました。

●藻谷さんからは、長寿の国の傾向として大きく次の2つのパターンがあるのではないかとの話がありました。(現在長寿の国と言えば、シンガポール、日本、スイス。)

 【シンガポール、香港型】
 シンガポール、香港は広東人が造った国。広東料理は薄味で、肉をよく食べる。 碁を打ったり、マージャンをしたり、太極拳をしたり、そんな形の健康長寿。

 【日本、スイス型】
 香港、シンガポール型とは逆で、よく働く。
 いざ仕事がなくなると何故か寂しくなり、何か人の役に立たないと嫌だと死ぬまで働いている人が多い。

 また、ヨーロッパ型として早くリタイアするのが目的だと、意外にそういう国は長寿ではないとの話も出ていました。

●藻谷さんや水谷町長は、高齢者の健康について、老後にやることがない、蓄えがあるために働かない、そんな生活は病気につながることが多い。
 一方、歳をとってもやることがあり、様々な活動していることや、たくさんの人と会ってワイワイすることが、本人の健康にも、町のためにも良いことに繋がると話していました。

◎活動について

 続いては「活動」をテーマにディスカッションが進められました。このテーマでは以下のような話がありました。

●山田さんからは、日本では、お年寄りだけの活動、女性だけの活動、若者だけの活動で終わっている場合もあり、悪いことではないが、世代間を飛び越え取り組むことも必要でないかという話がありました。

●東員町は自治会対抗のスポーツイベントや地域の祭など、高齢者や若い人の交流があり、こうした田舎のしきたりや伝統がまだ残っている。
 全国では人口減少も影響し、しきたりや伝統が消えてきている。こうしたものを今後の人々が自らの手で担えば、伝統、生活文化を守るだけでなく、健康寿命も向上していく。そのためには、積極的にまちに関わっていくことが大切。

◎ステップバイステップで小さなことから始める

 では、具体的にどのような活動があるのか。
 何かに取り組んでみたいと思う意欲はあるが、具体的な手法が見当たらない方もいる。活動についてさらに掘り下げた話となりました。

●藻谷さんからは、具体的な活動について次のような話がありました。
 何をしたらいいか分からない人はまず歩いてみる。歩くことは最も簡単。
 活動といっても、「みんなでやること」ばかりではないので、とても身近な小さなことからステップバイステップで始めれば、そこから何かが生まれる可能性がある。

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●健康に生きていこうと思い、一人でも何かをすることで、何人もが積み重なると町としてはすごく大きな違いになる。一見個々の活動でも、やっているうちに何かの接点ができたり、繋がりが生まれることもある。

●ネオポリスはサラリーマンの退職者が多くなってきている。普通会社を辞めると地域に帰っても何をしていいか分からない。東員町では、こういう立場の方々で活動をしている集団もある。みんなが同じ立場だと入りやすい。
 サラリーマン時代の職種によって、スキルを活かせる方、活かせない方はあると思うが、こういう集団に入ってみると色々と学べる。

◎女性や若い方の活躍

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 続いて女性や若い世代の活動について話がありました。

●水谷町長からは次のような意見が出ていました。
 女性や若い方が能動的に動いてもらえるようなことが出来るといいなと思う。若い人たちは、東員町を考えるときに40年、50年先がある。未来を考えてもらえる若い人が集まって、このまちをどうしたらいいか考えてもらいたい。

●藻谷さんからは、若い世代の力を活かすために必要なこととして次のような話がありました。
 自治会など色々な組織があるが、みんな平均寿命が69歳だったときに作られたもの。65歳過ぎたら体力もなくなるという考えで50代から下が中心だった。しかし今は80歳でも元気。あらゆる組織で高齢者が活躍できる。そうなると若い人とどうしても話が合わなくなり、若い人の出入りがなくなる。
  必要なのは、世代別の会を作ることと、シニア世代の会はサポート役に徹すること。サポート部隊が何でもして、責任者は若い人にする。このシステムはうまくまわるのではないか思う。女性を会長にしてもソフト面が充実し、おもしろいと思う。

◎自らの手で担うまちづくり

 最後に山田さんからディスカッションの総括がありました。
  まちづくり、地域振興、地域活性化、地域最適化はゴールを決めて活動しても、解決した時点でまた新しい問題、課題が現れ、永遠と続くもの。しかし、やめると衰退が一気に起こる。
  次は将来世代にどう受け渡すのかが問われている。
  このまま放っておくと、5年、10年で農業、林業、水産業含め一次産業の技術、伝承しなければならないものは消えるであろう。

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 また、地域の人の営みの本質的な価値も消え去るかもしれない。
 先人がこれまで守ってきたものには価値がある。 当たり前だと思っていることは非常に価値のあること。
 今でも国際会議で解決しなければいけない最大のテーマは貧困。 日本では自分たちが動けば解決できることばかり。 多くのことを学びながらこの土地を将来に渡さなければならない。
 みなさんが活動した結果、成果が未来になります。
 やるのは、みなさんです。 主体が誰かを考え、何のために、誰のためにということを忘れずに活動してください。