東員町のひと

東員町のおみごと!なひとを紹介します。
僕らの農業 若手農業従事者
  伊藤圭志さん、平井慶一さん 僕らの農業 若手農業従事者

伊藤圭志 さん、平井慶一 さん

農業の担い手が少なくなる中、若手農業従事者として活躍する2人。米と麦をメインで作るかたわら、常に新しい作物にもチャレンジしています。2人の考える農業について教えてもらいました。

「ありがとう、美味しかった」と直接言ってもらえること。これは他の仕事でなかなか味わえるものではないですね。


◎農業を始めたきっかけを教えてください。

伊藤
大学を卒業して、就活もしていたんですが「やっぱり家を手伝おう!」みたいな感じです。
なぜかと言われると…運命ですかね(笑)
当時は、農業の担い手が少ないとか知りませんでした。イメージとして年配の人がやるものだろうなっていうのはありました。

平井
僕は、東京で営業の仕事をしていましたが、地震を機に帰ってきて、偶然(伊藤さんに)会ったんです。大学が同じだったので久しぶりに色々と話して、一緒に農業やってみないかとなって…。
うちはサラリーマン家族で、ぜんぜん農業とは縁がなくて。でも、図書館とかで色々調べだしたら「面白そうだな」と思いました。お金の匂いがしました(笑)

地域お助けネットの役員のみなさん
平井さん 伊藤さん 

◎農業という仕事について、率直に聞かせてください。

伊藤
まだまだ伸び代は結構ある仕事だと思います。人口が減っていく中で、若い人が今後日本を支えていかなければならない状況を考えると、農業は良い仕事だと思う。

平井
最初はしんどいイメージしかなかったですが、企業に属して、反りの合わない上司に叱られて過ごすよりは、しがらみもなく過ごせます(笑)。

伊藤
あと、仕事後のめしは、めっちゃ美味いです!(笑)

平井
仕事後のビールは、格別です(笑)


◎どんなところにやりがいを感じますか?

伊藤
「めしが美味い」というだけで、とても楽しいと思いますが、作業的なことで楽しいことは、目に見えて実感や達成感があることですね。草刈りで「きれいになった」とか、「芽が出る、形になる、食べる」が全部目に見えて進むんです。そういうところにやりがいを感じます。

平井
「ありがとう、美味しかった」と直接言ってもらえることですね。これは営業や他の仕事でなかなか味わえるものではないですね。
「生きている」ということをすごく実感します。


ハウスでは、研究も兼ねて多くの農作物を作っています。

◎たいへんなことや苦労することなどはありますか?

伊藤
夏場の草刈ですね。刈っても刈っても伸びてくるんです。やればやるほど、最初に刈った草がもう伸びてるんです。終わらない感があります。ずっと草を刈っているっていう。

平井
僕らの年で農業というと、まだまだ若いので、専業農家さんの集会とかでは、自分の意見があっても通らないことがありますね。

◎現実に農業に携わる若い人は少ないですか?

平井
本当に少数だと思います。僕らの地区では一人もいないですね。


◎2人はパートナーですが、お互いどんな存在か教えてください。

伊藤
本当に良くやってくれているなと思います。助けられてばかりで…頭が上がらない感じです。どちらかというと(平井さんは)経営者側かと思います。

平井
やり始めて、こいつ(伊藤さん)に限らず農業というのは、すごく色々な人と顔を合わせてやっていくので、縁というのが大事かなと思います。年を追うごとに(伊藤さんが)どんな人かもわかってきたし、舵取りも多少上手くなってきたはず(笑)。(伊藤さんは)器用というか、ずる賢いというか。ただ、どんどん真面目になりましたね。丸くなったというか(笑)

伊藤
本当に昔は不真面目だったんです(笑)

平井
農業を一緒にやっていく中で、それが一番うれしいことかもしれません。「こいつ大人になったなぁ」って。




若い人が農業をやっているとチヤホヤされますね。いい意味で(笑)


◎農業に携わる若い人が増えればと思いますが、若い人にとっての農業の魅力を教えてもらえないですか?

伊藤
やることさえしっかりやっていれば、時間が自由なところが良いと思います。

平井
先の話とつながりますが、面と向かって「ありがとう」と言われるということが多いです。
自分達が作ったものが人の手に渡って、食べてもらう、そのお礼を面と向かって言ってもらえることは、農業という仕事が一番多いんじゃないかと思います。あとは、警察官ぐらいかな…

伊藤
あと、若い人が農業をやっているとチヤホヤされますね。いい意味で(笑)

平井
おばあちゃん達に「偉いねぇ」と言われたり…

伊藤
今回、僕達が年をとっていたら、取材に取り上げないですよね?ということがチヤホヤされるっていうことかと。あと若者が美容師をしていても「偉い」とはなりませんよね?農家だとなんか偉いというイメージになるんです(笑)

平井
さっき言った(伊藤さんの)「ずる賢い」という意味が分かってきました?(笑)。


将来に続くような農業というのは基本にありますが、稼いで、名前を売りたいですね。今は、まだまだ満足できていないです。


◎では、少し農業から離れますが、東員町の魅力は?

伊藤
「人」ですね。町の会議などに参加するようになって、みんな良い人だなと感じるようになりました。
これまでは、町のことにあまり携わっていませんでしたが。関わってみて良い人や信用できる人が多いと思います。

平井
実家は海から近いところなのですが、東員町の風景は最高だと思います。風景コレクションで夕日などをひとりで撮ったりしているんです。元々、自然が好きということもあって。自然の中に生きてるという実感をサラリーマンの頃は考えることがなかったですけど。


◎それが農業につながったということもあるのではないですか?

平井
それはあると思います。俺は虫すら触れない子どもでした。土も触るのが嫌だったけど、やってみると慣れますね(笑)。バッタもつかめます。「そんなん無理」って思っている人に言いたいですね。「慣れたら出来ます」って。俺でも出来たんだから。

収穫時期の稲刈り作業。毎年親子の農業体験の取り組みも担っています。

◎これから農業で目指していることを教えてください。

伊藤
将来に続くような農業というのは基本にありますが、稼いで、名前を売りたいですね。

平井
僕も一緒ですが、「ありがとう」って言ってもらえることをずっとやりたいですね。そして「これがええんや」っていうものを作りたいです。今は、まだまだ満足できていないですからね。
僕にはお米が嫌いな姪がいるんですが、僕の作った米を食べたら「ケイ(慶一さん)が作ったお米おいしい!」と言って、茶碗が綺麗になるまで食べてくれたんです。中国米とか農薬がどうこうとか言われてますけど、こいつが大人になるまでは安心して食べられるお米を作り続けたいって思いました。


白いごはんと豚汁を振る舞ってくれるお二人。

(平成29年2月取材)