「NPO法人 地域お助けネット」事務局長 | |
小林照忠 さん |
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「NPO法人 地域お助けネット」の事務局長を務める小林照忠さん。 |

「お金をもらってやっているわけではないので、利用者の方に喜んでもらえることが一番です。」
◎「地域お助けネット」の活動をはじめたきっかけを教えてください。
きっかけは、自治会の会議で民生委員の方が「1人暮らしの方の見守りに苦労している」という話を聞いたところからです。それで自治会の協力を得てアンケートを取ったら「住民の助け合いが必要」と答えた方が65%いたので地域お助けネットのスタートに踏み切りました。
会社を退職後、何かしないとボケてしまうという思いもありました(笑)。
当時、小学生の見守り活動を行っていましたが、そのメンバー数人と組織を立ち上げました。
◎最初の立ち上げ時は、どのように動いたのですか?
利用者を集めるため、各自治会長にお願いし、各地区で説明する機会を作ってもらったり、会員を集めるために登録案内を回してもらいました。その結果、登録者は40~50人ほど集まったと思います。
当時スタッフは10人程で活動し、ボランティア連絡協議会(現在のとういん市民活動支援センターの前身)にも登録を行いました。現在は終わっていますが「美し国おこし・三重」のパートナーグループの登録は東員町の第1号でした。
◎やりがいを感じるときはどういうときですか?
やっぱり、利用をしてもらった人に「ありがとう」と言ってもらえることですね。お金をもらってやっているわけではないので、利用者の方に喜んでもらえることが一番です。
利用者はひとり暮らしの方が多いですね。「何でも屋」ですが、ボランティアなので、できる範囲の中で行っています。
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地域お助けネットの役員のみなさん 上列右端が理事長の大川内博さん。 「大川内さんがいなければ、ここまでできなかった」と語る小林さん。大川内さんは、かけがえのないパートナー。 また「役員の方や会員の方の協力がなければ、今日まで続いていないと思います。」とも話していました。 |
もっと東員町全体に活動を拡げていきたいと思ってます。
◎日頃の活動で課題はありますか?
あまりに労力と時間がかかる依頼など、ボランティアとして行えないことは、断る場合もあります。
あと協力会員が集まらず、現場に行く人が不足しています。登録してもらっても、協力会員の方の活動できる日と、利用を希望される方の日とが、なかなかマッチングがうまくいかないんです。利用会員1人あたりに、協力会員が3人ぐらい必要なんです。
はじめは協力会員が多く、利用会員が少なかったのですが、現在は人数が逆転してしまいました。
(高齢者の)見守りなどは行っていきたい活動ですが、住んでいる地区が遠い人は、日常的に行えないため、ご近所でないと活動が出来ないんです。
◎活動の中で大切にしていることはありますか?
ボランティア保険に入っていること。今まで怪我や事故などのトラブルはないです。
無料の良いところは、難しい活動は断れることです。お金が発生するとトラブルは出てくるかもしれませんが、無料なので出てこないです。原則、活動前に一度下見をして確認するようにしています。いきなり訪問して、できないとなると問題なので。事前に確認するようにしています。
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協力会員の活動の様子。最近は粗大ごみ搬入の手伝いが多いそうです。病院の送迎も多くの照会がありますが、 常時は非常に難しいとのことです。 |
◎これからの活動で考えていることはありますか?
もっと東員町全体に活動を拡げていきたいと思ってます。
また、空き家などを活用したサロン活動ができたらとも思っています。そのサロンの中で、困りごとを話して、今の「地域お助けネット」の活動と連携できるかもしれない。
一方、社協が推進している地域座談会などで、自治会単位の助け合いが出来るようになれば、お助けネットの役割は必要なくなるのではないかとも考えてます。
元気な高齢者にどう活躍してもらうかが必要。
◎小林さんのように自主的な活動を行う人を増やしていくには、どうしたら良いと思いますか?
人が出会える機会を増やしていくことが必要ではないかと思います。シニア会議で同席した方と連絡先を交換し、理事になってもらうこととなったんです。人がつながる場や機会が大切ではないでしょうか。
◎小林さんにとって、東員町はどういう町ですか?
住みやすいまちだと思う。静かだし、名古屋までバスもあり、サラリーマンにとって住みやすいと思います。
◎急速な高齢化、少子化、人口減少社会が進んでいますが、これから町に必要なことはどんなことがあると思いますか?
65歳から75歳までの元気な高齢者にどう活躍してもらうかが必要。サロンでもなかなか参加する人が少ない。特に男性は、外で活動する人が女性に比べて少ないと思います。
夜に男性向けの「飲みの広場」のような場所を開くことができないか考えているんです。その場で、自分の経験を活かして活動できるようなきっかけづくりが出来なたらいいなぁとも考えています。
(平成29年2月取材)
→地域お助けネット(NPO法人 地域お助けネットホームページへ)